【昔話】鉢かつぎ姫【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、美しい姫が住んでいました。
姫の母は長い間病気で寝込んでおり、自分が死んだ後の姫の行く末を心配し、観音さまにお参りしたところ、姫の頭に鉢をかぶせよというお告げがありました。
母はお告げ通りに姫に鉢をかぶせ、それからしばらく後に亡くなってしまいました。
父が姫の鉢をみっともないと言って取ろうとしましたが、なぜか外すことができませんでした。
その後父は再婚し、新しい母は姫の鉢を見て気味悪がり、家来に命じて姫を遠いところへ捨ててしまいました。
姫は何年もさまよい、生きていくのが辛くなり川へ飛び込んで自殺しようとしました。
翌朝若いお武家さまが川岸を通り、姫を助け上げ、自分の屋敷へと連れて帰りました。
目を覚ました姫はそこで働くことになりました。
ある日の夜、蔵の中に置かれている琴を見つけた姫は、昔を懐かしんで弾いていると、そこへ若君がやってきました。
若君は姫に何者かとたずねると、姫は自分の身の上話を聞かせました。
しばらく経ったある日、若君に結婚話が持ち上がったのですが、若君は姫と結婚したいと言い、両親から猛反対されてしまいました。
若君の父は姫を殺してしまおうと考え、刀を抜いて振りかぶった瞬間、姫の頭にかぶせられた鉢が光って粉々に砕け、中からたくさんの金銀財宝とともに美しい姫の姿が現れました。
姫はこの若君と結ばれいつまでも幸せに暮らしました。