【昔話】天狗のたたり【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、子どもたちの遊び場になっている神社の広場がありました。
山盛屋の1人息子の善八は、子どもたちの中でも特に無邪気で元気な子で有名でした。
ある冬の夜、山盛屋に砂利のような小石が投げつけられるようになりました。
両親は、近所の子どもたちのいたずらではないかと思って全く気にしていませんでしたが、石投げは毎晩続きました。
人に恨まれるようなことはしていない両親は、誰がやっているのか見当もつかないので、両親も近所の人たちも不思議がっていました。
やがて、夜だけでなく1日に何度も小石が飛んでくるようになり、石が飛んでくると善八は高熱を出してうなされるようになりました。
両親はおろおろするばかりでしたが、ある時、天井の梁に立派な天狗のお面がかかっていることに気がつきました。
このお面は、善八が近所の神社のお堂の中から持ち出したもので、鼻先が少し折れていました。
毎晩の石投げは、お面を壊されて怒った天狗がしたことではないかと考えた両親は、折れた鼻を修理しました。
その後、3人で神社へお面を奉納して深々と頭を下げると、その日から小石が飛んでくることはなくなりました。