【昔話】立山と白山の背くらべ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、富山県の人と石川県の人が立山と白山の高さを競って言い争いをしていました。
しかし、日々言い争いをしているだけなので何も解決しませんでした。
そこで実際に立山と白山の背くらべをしてみようじゃないか、ということになりました。
さっそく竹を半分に割ってそれをつなぎ合わせ、長い樋を作りました。
樋の片方の端を立山の頂上に、反対側の端を白山の頂上につけました。
立山の頂上にいた富山県の人が樋に水を流してみると、水は白山の方へ向かって流れていきました。
白山に頂上にいた石川県の人は、慌てて履いていたわらじの樋の下に重ねて挟み込むと、今度は水は立山に向かって流れ出しました。
勝利を確信していた富山県の人は驚いて、負けるわけにはいかないと石をひとつ拾って樋の下に挟みました。
すると、立山に向かって流れていた水がぴたっと止まり、どちらにも流れなくなったのです。
これを見た富山県の人は、立山は白山よりも石ひとつ分低いのだと思うようになりました。
それ以降、富山県の人が立山に登るときは、石をひとつ持って登り、白山を追い越すようにと願って頂上に石を置いてくるようになりました。