【昔話】福ねずみ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、正直者で貧しいおじいさんが住んでいました。
ある年の大晦日の夜、おじいさんは来年こそは良い暮らしができるようにと神さまにお祈りしました。
その夜、おじいさんは夢の中で誰かが自分を呼んでいる声を聞きました。
おじいさんが声の方へ行ってみると、雲の上に真っ白なヒゲを生やしたじいさまが待っていました。
白ヒゲのじいさまは「あなたはおばあさんが死んでから、台所を片付けていないでしょう。それを片付ければ良いことが起きます。」と言いました。
目覚めたおじいさんは、さっそく台所を片付けました。
掃除が終わっておじいさんが足を洗っていると、1匹のねずみが現れました。
ねずみが桶の水に飛び込むと、あっという間に真っ白なねずみになりました。
おじいさんがねずみを手ぬぐいに包んで抱き上げると、手ぬぐいの中から餅が出てきました。
ねずみはそれからもずっとおじいさんの家に住みつき、おじいさんの家では良いことばかりが続きました。
この話を聞いた隣の欲張りなおじいさんが、無理やりねずみを連れ出して自分の家の神棚に放しました。
しかしねずみは怒って神棚から姿を消してしまいました。
欲張りなおじいさんはねずみを捕まえようと部屋中に餅をばらまいて罠を仕掛けました。
しばらく経った夜、欲張りなおじいさんの家に数えきれないほどのねずみが現れました。
欲張りなおじいさんがねずみを捕まえた途端、真っ白だったねずみは黒いねずみになってしまいました。
黒いねずみに囲まれた欲張りなおじいさんは生きた心地がしませんでした。
こうして本当の白いねずみは、正直者のおじいさんの家に帰り幸せに暮らしました。