【昔話】虹の嫁【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、やたみという木こりの若者がいました。
ある日、きれいな虹がかかっているのを見つけたやかみは、虹へ近づこうと湖まで歩いていきました。
すると、空から7色の羽衣をまとった美しい天女が舞い降りてきました。
やたみは天女に一目ぼれし、自分の嫁になってほしいと天女にお願いしました。
しかし天女は地上に住む男とは結婚できないという決まりがあったので、その願いを断りました。
どうしても諦めきれないやたみに、天女は「いつか地上の人間として生まれ変わる時がくるので、その時は、私の目の下にある青いホクロを目印にして探してください」と言い、天界に帰っていきました。
それを聞いたやたみは、目の下にホクロがある娘を探すために山を下り、あちこちで娘の姿を探しました。
簡単には見つからず、あっという間に15年の年月が経ち、やたみは杉山長者のところで山仕事をして働いていました。
ある時、顔の黒いななえという娘が、やたみの山仕事の手伝いをしにやってきました。
やたみはななえの面倒を見ながら、一緒に山仕事をしていました。
やがて仲良くなったななえから、継母が自分の本当の娘を長者の嫁にするために、継子だったななえの顔に炭を塗りこんだという話を聞いたやたみは、ななえを哀れに思い、ていねいに顔を拭いてあげました。
すると、ななえの顔は真っ白い肌に戻り、さらに今まで見えてなかった目の下に青いホクロがあることに気が付きました。
やたみは、16年前に出会った天女の生まれ変わりがななえだったことに気づき、ななえもその時のことを思い出し、2人は結ばれました。