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【昔話】天狗と赤かぶら【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある村で、それはそれは立派な赤かぶが採れました。
村でもおいしいと評判で、城のお殿さまもこの赤かぶが大呼応物でした。
そこでお殿さまは、毎年収穫時期に、赤かぶを城まで運ぶように村人に命じていました。

ところがある時、村から城へ向かう峠に、いたずら好きな天狗が住み着くようになりました。
天狗はおいしいものが大好きで、村人を見つけては、ぼた餅や赤飯を騙し取り、とうとうお殿さまに届ける赤かぶまで横取りしてしまいました。

天狗も、この赤かぶを気に入り、その日からお殿さまに届ける赤かぶは全部天狗に騙し取られてしまいました。
こんなことがあってから、村には赤かぶを届けようとする者がいなくなってしまいました。
困り果てた村人たちは、村はずれに住むおじいさん孫娘に赤かぶ運びを頼み、2人はお城まで赤かぶを運ぶことになりました。

おじいさん孫娘が赤かぶを手押し車に乗せて峠を通りかかると、天狗が現れました。
そして手押し車の中から、1番大きな赤かぶを手に取ると、突然赤かぶから「お前の顔は赤い!赤かぶの祟りだ!!」と声がして、天狗の顔をたたきました。
実は赤かぶに見えていたのは、孫娘が赤い風呂敷にかぶっていたものでした。

突然のことに驚いた天狗は、大慌てで逃げて行きました。
こうして2人は、無事お城に赤かぶを届け、お殿さまからたくさんのご褒美をもらいました。

ところが腹を立てた天狗は、帰り道で2人を待ち伏せしていました。
天狗孫娘をさらって、自分の住家に連れて行ってしまいました。

天狗は、孫娘を食べるつもりなどなかったのですが、怖がらせるためにわざと「どこから食べてやろうか…?」と言いました。

すると孫娘は、「おじいさんの代わりにお使いに行くから足はやめてください。手はおじいさんの肩たたきをするからやめてください。その代わりに頭から食べて下さい」と言って、風呂敷をかぶって泣きだしました。
天狗は、孫娘の優しさに心を打たれ、村に帰してあげることにしました。

そして、いつの間にか天狗はこの村を去って行きました。


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