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【昔話】念仏の鼻【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし、ある小さな島の山頂にやまんば住んでいました。
やまんばは、夜になると目を覚まして、島の泉お風呂に入ってから食事するのが日課でした。

ある日、船頭の親子が強風にあおられ海で動けなくなっていました。
仕方なく近くの薄暗い島に船を付け、海岸で焚き火をしていると、大きなやまんばが現れました。
人を食ってしまうという噂があるやまんばに、身の危険を感じた親子は逃げ出し、急いで船を出しました。

船が海岸から離れ岬に近づくと、先回りしていたやまんばが笑いながら立っていました。
やまんばは着物を脱ぐと、白い乳をしぼって船に向けてかけ始めました。
やまんばの乳が船にかかると船が動かなくなるという言い伝えがあるので、親子は必死で逃げました。

しかし、一滴だけかかってしまい、船の艪(ろ)が動かなくなってしまいました。
父親は必死に念仏を唱えながら、乳のかかった船を小刀で削り続けました。
念仏を聞いたやまんばは乳を出すのをやめ、突然泣き始めました。
やまんばにも念仏のありがたみが分かったのか、いつまでも岬の先端に立って泣き続けていました。

親子の船は再び動くようになり、何とかこの島から逃げ出すことができました。
岬の事を「鼻」ということから、この岬を「念仏の鼻」と呼ぶようになったそうです。


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