【昔話】九重の楓【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、骨董品や珍品を集めることを競い合っている庄屋と和尚がいました。
ある時、和尚がとても美しい紅葉を咲かせた楓を手に入れ、それを庄屋に自慢しました。
あまり素晴らしい楓だったので、庄屋が何とか譲ってほしいと頼みましたが、和尚は譲ろうとはしませんでした。
どうしても手に入れたかった庄屋は、夜中に和尚の自宅へ忍び込んで、楓を盗みました。
後日、庄屋は手に入れた楓を和尚に自慢しましたが、和尚は自分の楓を盗んだのではないかと怒りました。
しかし庄屋は、似ているだけだと嘘をつき、楓を手放そうとはしませんでした。
怒った和尚は呪いの法術を使って、庄屋が飼っている馬や牛を次々と殺し、やがて庄屋も病気になってしまいました。
怖くなった庄屋は楓を和尚に返しましたが、数日後に死んでしまいました。
呪いの法術を使った和尚もその反動か死んでしまいました。
楓は2人の憎みあいを悲しみ、枯れてしまいました。