【昔話】ヒラメとカレイ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしのことでした。
海の中ではどの魚も、陽の光が差し込む海の上の方に集まって泳いでいました。
そのため海の上の方がいつも混雑しており、魚同士のぶつかり合いが頻繁に起こっていました。
そんなある日、魚たちは集まって、体の小さい魚は上に、大きい魚は下に分かれて住もうと相談しました。
しかし、体の大きなヒラメとカレイは下の方に住まないといけなくなるので納得ができず、この取り決めに従わずにいました。
ヒラメとカレイは、上の方に住むヒラメたちに意地悪をして、今まで以上に好き勝手に泳ぎ回るようになりました。
あまりの暴れっぷりに怒った他の魚たちは、ヒラメとカレイを追いかけまわしました。
ヒラメとカレイは逃げるように泳いで、すきを見て海底の砂の中にもぐって身を隠しました。
こうして砂の中に隠れてもぐり続けているうちに、今のような目が片側に寄った平べったい姿にななりました。
今でもカレイとヒラメは、他の魚に見つかっては大変と、海底の砂の中から目だけを出して辺りを見回しているそうです。