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【昔話】たいしこ団子【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし出雲の国のある村に、おじいさんに先立たれ1人で暮らしているおばあさんがいました。
おばあさんは足腰を悪くしてからは、田んぼ仕事ができなくなり、食べるものに困ってしまうほど貧しい生活を送っていました。

そんなある日、とてもみすぼらしい格好をしたお坊さんおばあさんの家を訪ねてきました。
お坊さんに、今夜一晩だけ泊めてほしいお願いされたおばあさんは、食べるものはありませんが身体だけでも休ませていってください、と快く家にいれてあげました。

囲炉裏の傍に座ったお坊さんを見て、亡くなったおじいさんのことを思い出したおばあさんは、悪い足を引きずりながら隣の家の田んぼに入っていきました。
おじいさんが、寒い日には団子汁がおいしいと言っていたので、それをお坊さんにも食べさせてやりたいと思ったのです。
そして、干してあった稲わらを1束抜き取って家に帰ってきました。
田んぼには、おばあさんの引きずった足跡がしっかりと残っていました。
おばあさんは盗んだ少ない米で団子を作り、なけなしの菜っ葉や味噌を使ってお坊さんに団子汁をふるまいました。
その夜、おばあさんは田んぼに残った足跡のことが気になって眠ることができませんでした。

翌朝、おばあさんが戸を開けるとあたりは一面真っ白で、田んぼの足跡も雪で隠れて見えなくなっていました。
お坊さんは、「悪い足を手でさすり、南無阿弥陀仏と唱えてください。きっと良くなります、」と言って、旅立っていきました。

お坊さんに言われた通り毎日、南無阿弥陀仏と唱えると足も腰もすっかり良くなり、日々の暮らしも良くなりました。
この話を聞いた村人たちは、そのお坊さんお大師さまに違いないと言いました。
そして、お坊さんが来た11月24日には団子汁を作り、お大師さまを偲ぶようになりました。
この団子汁のことを「たいしこ団子」と呼び、毎年この日には必ず雪が降るようになったそうです。


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