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【昔話】人だまのはなし【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、毎日真面目に働くだけがとりえの若者が住んでいました。
死んだ父親が大飲みで怠け者だったので、それがで息子は堅物になったのだろうと、村人たちは噂していました。

明日から田んぼを耕す作業が始まるという夜、墓場からふらふらと死んだ父親の人魂が飛んできました。
この人魂は酒好きで、村でにぎやかなことがあると出てきて、こっそり酒を飲んで逃げていくのでした。

若者は恥ずかしくて、死んだ父親の兄である寺の和尚さんに相談しました。
和尚さんは、大酒飲みだった父親には全く似ておらず、修業一筋の人格者で、若者のために父親の人魂を捕まえる作戦を提案してくれました。
若者は言われた通り、酒を買って用意し父親の人魂をおびき出しました。
やがて酒目当てにやってきた人魂を、ご飯を入れる桶に閉じ込めることに成功しました。

すると同じタイミングで、寺にいた和尚さんが息絶えてしまいました。
知らせを聞いた若者が桶を抱えたまま、和尚さんの元へ駆けつけると、桶から逃げ出した人魂が和尚さんの口の中に入っていきました。
人魂が入った和尚さんは、再び息を吹き返しました。

なんと、村を飛び回って酒を飲んでいた人魂は、和尚さんの人魂だったのでした。
真面目にやっていれば良いというわけではないんだ、と和尚さんは考えを改めました。
そして、若者も真面目に仕事だけの生活から、時には村人たちの家にも行くようになり、交流を楽しむようになりました。


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