【昔話】鬼の面【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、信心深いおばあさんが住んでいました。
おばあさんは毎朝、村はずれの山のお寺にお参りに行っていました。
ところが一緒に住んでいた嫁は、日課にしていたお参りを快く思っておらず、毎日文句を言っていました。
ある朝、今日も朝一番で寺参りに出かけたおばあさんの後を、嫁がこっそり追いかけました。
おばあさんの寺参りをやめさせようと考えた嫁は、お堂に先回りして、お面をかぶっておばあさんを脅かしました。
驚いたおばあさんは、大慌てで家に逃げ帰りました。
すっかり日も暮れてから、嫁が頭から布をかぶってこそこそと帰ってきました。
鬼の面がとれなくなってしまい、暗くなるまで人目に付かないように帰って来たのでした。
旦那とおばあさんが思いっきり引っ張っても鬼の面は取ることができませんでした。
嫁のことを心配したおばあさんは、寺参りを続けました。
すると、ある朝ポロリと鬼の面が外れました。
それからというもの、嫁もおばあさんと一緒に毎朝お寺に参るようになり、おばあさんにも優しく接するようになりました。