【昔話】ねこ檀家【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、とても貧しい寺がありました。
年老いた和尚は、可愛がっているネコと毎日居眠りをしながら暮らしていました。
ある日のこと、ネコが「お世話になっている和尚にお礼がしたい」と言いました。
突然人間の言葉を話し出したので和尚は驚きましたが、ネコは気にすることなく「もうすぐ長者の大事な一人娘が寿命で死にます。その葬式で娘の棺桶を空中に釣り上げるので、その時に呪文を唱えてください。それで全てがうまくいきます」と話しを続けました。
しばらく経ったある日、ネコの話した通り、長者の一人娘が亡くなりました。
長者は娘のために立派な葬式をあげていましたが、式の途中で棺桶が空中に浮き上がりました。
何が起きたのかと大騒ぎになり、村中のお坊さんがお経を読んで棺桶を降ろそうとしても全く効果がありませんでした。
そこで、ワラにもすがる思いで貧しい寺の和尚が呼ばれました。
和尚はネコに言われた通りに呪文を唱えると、棺桶はするすると下りてきました。
これが評判となり貧しい寺の和尚はまるで生き仏のように崇められ、寺へは多くの参詣の人々が訪れるようになりました。
和尚は忙しい毎日を送ることになりました。