【昔話】雪女郎【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし山には、とても良い木がいっぱい生えていたので、この周辺の村人たちは薪や炭を作って暮らしていました。
炭は、かいづみ焼きという生木を切ってすぐに燃やして炭を作る方法で作っていたのですが、たくさん木を使う割にはあまり炭ができませんでした。
そのため、この山の木はすっかり伐採されてしまい、いつしか山は丸坊主になってしまいました。
ある年の冬、村人が空き家になっている屋敷の庭の井戸に、1人の女がいるのを見かけました。
この美しい女は雪女郎で、井戸の水を汲み上げては捨てるという行為を何度々も繰り返していました。
村長は「この行為は村が洗い流されることを予言しているのではないか」と考え、夜のうちに村人たちを小高い丘の上に避難させました。
朝になり、丸坊主になって山から大きな地響きとともに雪崩が起き、村を飲み込み家を押しつぶしていきました。
雪女郎の予言通りとなり、きっと山の木を切り過ぎて山の神さまが怒ったのだろう、と考えた村人たちは、それからは木を切った後は苗を植えるようになりました。
今では、山にはたくさんの立派な大木がしげるようになりました。