【昔話】たぬきとひこいち【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、彦一というとても頭の良い男が住んでいました。
彦一の住む家の裏山にはいたずら好きのタヌキが住んでいて、毎日村人をだまして楽しんでいました。
ある晩、タヌキが旅人に化けて彦一の家にやってきました。
彦一はタヌキが化けていることに気づいていました、知らないふりをして家へ招き入れ、酒などを振る舞ってあげました。
タヌキが「彦一さんには怖い物はありますか?」とたずねるので、彦一は誰にも言わないでほしいと前置きをして、実はまんじゅうが怖いと言いました。
それを聞いたいたずら好きのタヌキは、翌朝彦一の家の前に山ほどまんじゅうを置いておきました。
それに気づいた彦一は、怖がるふりをして母と一緒に大喜びでまんじゅうを食べました。
だまされたと知ったタヌキはカンカンに怒って、村中の石ころを拾い集めて彦一の畑にまきました。
翌朝、畑仕事に来た彦一はタヌキの仕業だと気づき、わざと大きな声で「石肥三年(いしごえさんねん)と言って、これは良いことだ。これがウマのフンだったら大変なことだった。」と言いました。
それを聞いたタヌキは、石を全部運び出すと、今度はウマのフンを彦一の畑にまいたのです。
タヌキのまいたフンのおかげで彦一の畑は大豊作になりました。
彦一にはかなわないと悔しがるタヌキに、彦一は豊作のお礼にとトウモロコシをあげました。