【民話】ハチとアリ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、虫たちの住む村がありました。
そこには美しいハチが住んでおり、ハチは自分の羽を見ては毎日うっとりしていました。
ある日ハチは毎日泥だらけになって働くアリのところへ行き、たまには休んで海でも見に行こう、と言いましたがアリは海を知らないと言いました。
ハチはアリに海のすばらしさと、そこに住む魚がとてもおいしいことを教えました。
ハチとアリは海を目指しましたが、空を飛べるハチの方が先に到着してしまったので、ニシンを捕まえながらアリを待っていました。
その頃アリがようやく到着し、初めて見た海に感激していると、波に乗って飛び出した大きなタイが空中へ投げ出されアリの目の前に落ちてきました。
するとそこへニシンを持ったハチがやってきました。ハチは、ニシンを自慢しようと思っていたのですが、アリの前に落ちているタイに気をとられてしまいました。
ハチが、タイはすばらしい魚だということを教えると、どちらがタイを持って帰るのかと言い合いになりました。
こうしてハチとアリのけんかが始まり、決着がつかないので村長のカブトムシに決めてもらうことにしました。
カブトムシは、それぞれに九九を知っているかと訊ねました。
まずはハチに、「二・四が?」と問うと、ハチは「八です」と答えました。カブトムシは、「ニシンがハチ」と言いました。
次にアリに、「お礼をの言葉は?」と問うと、アリは「ありがたい、です」と答えました。カブトムシは、「アリがタイ」と言いました。
こうしてどちらがどの魚を持ち帰るか決着がつきましたが、友だちどうし、仲良く半分ずつに分けることにしました。