【民話】あずき峠【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に太助という男の子と母親が暮らしていました。
ある日太助は、どんぐりお告げで食欲をなくした母親のために豆腐を買いに行くことにしました。
あずき峠を抜けた先の町で豆腐を買った太助は帰り道に先ほどのどんぐりから、困った時に使いなさいと、とっくりをもらいました。
日が暮れた頃に太助が家につくと、母親がいませんでした。
母親は、帰りが遅い太助を心配してあずき峠まで探しに行っていたのです。
実はあずき峠は、夜になると人喰い鬼が出る危険な峠だったので、太助が大急ぎで峠へ向かうと、まさに今、人喰い鬼が母親に襲いかかろうとしていたところでした。
そこで太助はどんぐりからもらったとっくりのことを思い出し使ってみると、巨大な鬼の体がすっぽりととっくりの中に吸い込まれていきました。
太助は鬼の入ったとっくりをあずき峠の土の奥深くに埋めました。
それからというもの、村人たちは安心してあずき峠を通れるようになりました。