【昔話】ちえくらべ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、とんちが得意な彦市という男と、いたずら好きなメスの銀ぎつねがいました。
銀ぎつねはどうにか彦市を困らせてやろうとあれこれいたずらをしていたのですが、逆に彦市に騙されてひどい目にあっていました。
ある時銀ぎつねが彦市にいたずらしようと、梅の実を彦市めがけて投げました。
ところが彦市は、「梅に当たるということは、うまいことに当たるという意味なのでめでたいことです」と言い、お礼の鮎まで置いてその場を去りました。
人間に梅をぶつければ鮎をもらえると思った銀ぎつねは、通りかかった侍に梅の実をぶつけてみました。
すると侍は激怒し、銀ぎつねは痛い目にあってしまいました。
またある日のこと、川で鮎釣りをしている彦市に、このへんでは見かけない侍が話しかけてきました。
「銀ぎつねが化けた侍」だと分かった彦市は、「水泳の先生ですね、お久しぶりです。以前約束した素晴らしい川泳ぎを披露してください」と言いました。
銀ぎつねが化けた侍は、彦市に言われるがままたくさんの石を背負って川へ入っていきました。
川底に足を取られた銀ぎつねは、そのまま深みにはまって溺れ、危うく死んでしまうところでした。
銀ぎつねは彦市にはかなわない…と思いながらも、2人の騙しあいは続きました。