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【昔話】ネコの恩返し【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、世間から忘れられたような古くて貧しい山寺に年老いた和尚ネコが細々と暮らしていました。

ある日、とうとう寺には食べる物がなくなり、和尚は最後の食べ物をネコに与えた後、うつらうつらと居眠りをしていました。
どこからか、「和尚さん、和尚さん」と呼ぶ声が聞こえてきました。
和尚が振り返ってみると、なんとネコが話しかけているのでした。

ネコは、近いうちに長者の大事な一人娘が死んでしまう、と言いました。
こてまで和尚にお世話になったネコはその恩返しに、山寺をもう1度繁盛させる方法を和尚に教えました。
こうしてネコは放し終えると、姿を消してしまいました。

それからしばらくして、ネコの言う通り長者の娘が死んでしまいました。
長者はあらゆる寺から偉いお坊さんをたくさん招いて立派な葬式をしましたが、山寺の和尚さんだけは忘れられていて招かれませんでした。

その葬式の列が墓の近くまで来たとき、突然娘の棺が浮かび上がり、天高く登って降りて来なくなってしまいました。
お坊さんたちは慌ててお経を唱え棺を降ろそうとしましたが、棺は天にかかったまま全く動きませんでした。

困り果てた長者は山寺の和尚を呼び出しましたが、お坊さんたちは山寺の和尚に棺がおろせるわけがないと笑っていました。
ところが和尚ネコに教わった通りに呪文を唱えると、棺が天からゆっくりと降りてきたのでした。

こうして無事葬式を済ませることが出来た長者は、和尚に感謝して、山寺を新しく作りかえてくれました。
さらには、食べ物を毎日届けさせ、身の回りの世話をする寺男まで手配してくれたのでした。
こうして和尚と再び山寺に戻って来たネコは、それからは縁側でのんびり過ごしながら幸せに暮らしました。


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