【昔話】十六人谷【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあることころに弥助という男がおり、若い頃は木こりをやっていました。
ある夜、見知らぬ女が、谷にある柳を切らないでほしいとと頼みにやってきました。
すっかり酔っ払っていた弥助は、頭を下げる女に背を向けて、眠ってしまいました。
翌朝、予定していた通りに弥助と15人の木こり仲間が北又谷に入りました。
そこには実に見事な柳の木があり、弥助が止めるのも聞かず仲間の木こりたちは柳を切り倒しました。
その夜、小屋で弥助たちが寝入っているところへ昨夜の女がやってきました。
女は、寝ている15人の木こりの舌を、1人ずつ口で吸い取り殺していきました。
最後に「あなたに頼めばこんなことにならずに済むと思っていたのに」と弥助に迫ってきました。
弥助は山刀で女を切りつけ小屋から何とか逃げ出しました。
それから50年たち、弥助はおじいさんになりました。
この話をお茶を飲みながら目の前に座っている若い女に聞かせていました。
昔のことを思い出しながら、少しずつ話しました。
しばらく経った頃、弥助は舌を抜かれて死んでいました。