【昔話】たにし長者【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、子どものいない夫婦がいました。
夫婦は毎日水神様に子どもを授かれるようにお祈りしていると、ある日妻が子どもを授かりました。
しばらくして産まれた子どもは、なんとたにしだったのです。
それでも夫婦は水神様からの贈り物だと思い、大事に大事に育てました。
それから20年が経ち、夫婦はすっかり歳をとってしまいましたが、たにしはたにしのままでした。
そんなある日、たにしが2人の生活を楽にしてあげたいと言うので、たにしの言う通りに長者に納める年貢の米俵の上にたにしを乗せました。
たにしは米俵を運ぶ馬を上手にあやつり、それを見た長者がたにしのことを気に入り、自分の娘婿にならないかと言いました。
たにしはそれを快諾し、娘も水神様の贈り物であるたにしならきっと良いことがあるでしょうと言い、たにしと結婚することにしました。
こうして長者の娘と結婚し1年が過ぎた頃、たにしと娘はお祭りに出かけました。
娘は願いごとをするためにたにしを田んぼのふちに置き、その場を離れました。
それを見ていた娘の姉はたにしの大好物をまき、田んぼからたくさんのたにしが出てくるのを待ちました。
そしてカラスに向かって「たにしをやるから出てこい」と言うと、カラスがやってきて口ばしでたにしをつつき始めました。
そこへ娘が戻ってきて慌ててたにしの上から覆いかぶさってかばうと、娘の帯の下のたにしが大きくなり立派な若者の姿になりました。
その後2人が始めた商売は大繁盛し、たにし長者と言われるようになりました。