【グリム童話】死神のお使いたち【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに大きな大入道がいました。
そこへ人々に死をもたらす死神が現れ、大入道の前に立ちはだかりました。
しかし大入道は死神に気がつかず、そのまま死神を大きな足でふみつぶしてしまいました。
大入道にふみつぶされた死神は、息も絶え絶えになり今にも死んでしまいそうです。
人間の死を操っている死神がいなくなってしまったら、世界中の誰もが死ななくなって、世界が人であふれてしまうのです。
と、そこへ若くて元気な男が通りかかりました。
倒れた死神を見て驚いた男は死神抱き上げると、持っていた薬を飲ませました。
すると薬が効き、死神は元気を取り戻し男にお礼を言いました。
死神は、自分が何者かということに気づかずに助けてくれた男に向かって、自分が死神だということを明かしました。
そしてそのお礼として、男が死ぬというその時に死神が現れ死ぬのではなく、その前に死神の使いの者を行かせると約束しました。
「使いの者が来ない間は死ぬことはない」と約束してもらった男は、その日からだらけた生活を送るようになりました。
風呂には入らず、歯も磨きませんでした。
毎日好きなものを好きなだけ食べ、酒を飲み、運動もせず寝てばかりいました。
死神の使いの者が来るまで死ぬことがない男は、どれだけ不健康な生活を送っても平気でした。
そんな生活を続けていた男は、やがて病気になりました。
しかし使いの者が来るまでは死なないと安心しきっていた男は、この生活を改めようとはしませんでした。
そんなある日、突然死神が男の前に現れ、この世と別れる日がきたことを告げました。
死神が来る前に使いの者が来ると言っていたのに、なぜいきなり死神が来るのかと怒った男は、自分は死ぬことはないと怒鳴りました。
すると死神は男に向かって、「何度も使いの者を送った。」と言いました。
身に覚えのない男は死神をにらみつけました。
死神は、「お前のところに熱を行かせ、せきと鼻水が出させた。めまい、腹痛、吐き気、寒気。全て使いの者だ。」と言うと、男を連れ去っていきました。