【映画】ブラック・スワン【あらすじ・ネタバレ】
元ダンサーの親に育てられたニナ・セイヤーズは、幼い頃からバレエを学び、今ではニューヨークにある一流バレエ団に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っていました。
毎日厳しい練習に耐えてきたニナ・セイヤーズに、「白鳥の湖」のプリマ(主役)を演じる機会が巡ってきました。
しかしこの役は、純真で無垢な「白鳥」と、官能的で邪悪な「黒鳥」の二役を一人で演じなければならず、ニナ・セイヤーズは黒鳥を演じることに不安を感じつつもプリマを演じられることを喜びました。
そして代役には、ライバルであるリリーが選ばれました。
翌日から過酷な練習が始まりました。
練習中に監督であるトマから、性的に魅了するような情熱に欠けていると、責められたニナ・セイヤーズは、精神的に疲れ果ててしまい、幻覚や妄想に悩まれるようになりました。
代役として控えているリリーが、自分からプリマの座を奪おうとしているように思えて仕方なくなっていました。
ニナ・セイヤーズの幻覚や妄想は日増しにひどくなり、「白鳥の湖」の開演を翌日に控えた前夜、トマと舞台裏で性行為をしているリリーの姿が徐々にニナ・セイヤーズ自身に変身していくという幻覚症状におそわれました。
その後も幻覚は治まらず、ついにニナ・セイヤーズは気を失って気絶してしまいました。
公演当日の夕方に目覚めると、母親に「体調を崩したので舞台に出られない」とトマに連絡したと告げられました。
ニナ・セイヤーズは母親を乱暴に振り切り急いで劇場へ向かうと、劇場ではリリーが白鳥の女王を踊る準備を進めていました。
ニナ・セイヤーズは、代役は不要であることをトマに告げると、女王として踊る準備を整えました。
第一幕が始まり順調に演じていましたが、やがてニナ・セイヤーズは幻覚を見始め、ペースを乱したニナ・セイヤーズを王子役のダンサーがニナ・セイヤーズを受け損なって落としてしまいました。
疲れきったニナ・セイヤーズが楽屋へ戻ると、そこには黒鳥のメイクをして準備をしているリリーの姿がありました。
そして、リリーがニナ・セイヤーズ自身の姿へと変容する幻覚を見ながらもみ合いになり、割れた鏡の破片でリリーを刺殺してしまいました。
ニナ・セイヤーズはリリーの死体を隠し、次の幕を踊るために黒鳥になり舞台に戻りました。
先ほどまでの踊りとは全く違い、身も心も黒鳥になったかのように情熱的、官能的に踊りきったニナ・セイヤーズに向かって観客は総立ちで拍手を送りました。
舞台を下りたニナ・セイヤーズはトマと抱き合い、キスを交わしました。
楽屋に戻り待機していると、そこにニナ・セイヤーズの踊りに感動したリリーが激励の言葉をかけに現れました。
リリーが現れたことでニナ・セイヤーズは、リリーと争ったことは現実ではなく幻覚だったことに気づきました。
さらに、鏡の破片で刺したのもリリーではなく、自分自身だったということにも気づきました。
最終幕の舞台が始まり、ニナ・セイヤーズは結末を完璧に踊りきりました。
最後の、白鳥が崖から飛び降りて自らの命を絶つという場面を演じながら、ニナ・セイヤーズは観客の中に感動して泣いている母親がいることに気づきました。
観客亜は再び総立ちになり、劇場全体に拍手が響き渡りました。
トマがニナ・セイヤーズを褒め称えて抱き上げると、ニナ・セイヤーズの腹部からは大量の血が滲み出していました。
完璧なバレエを演じきったニナ・セイヤーズは、恍惚とした表情で上を見上げました。