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【昔話】天狗の松【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし、伊豆の高根神社にとても大きな松の木が立っていました。
ここらへんは松の木が多い場所ではあったのですが、この松は他のものとは比べものにならないほどの大きさでした。

この大松の周りには、不思議なことに松の葉が落ちていることがありませんでした。
それは、この大松には天狗が住んでおり、その天狗たちがとてもきれい好きで毎日ほうきで松の葉を掃除しているのです。
天狗は用心深いため、人間に姿を見せることはありませんでした。

ある日、若者が大松から不思議な音を聞いたので、その日の夕方に大松へ向かいました。
普段なら姿を見せない天狗でしたが、その時は見張りの天狗がサボっていたので、若者が近くまで来ていることに気がつきませんでした。
間一髪のところで若者に気づいた天狗たちは慌てて松に隠れましたが、一人の天狗だけ合図に気づかず掃除を続けていました。

若者が聞いた不思議な音は葉をほうきで掃いている音で、若者は初めて地面に落ちている大松の葉を見ました。
掃いている天狗に近づき声をかけると、天狗は気まずそうに振り返りました。
若者天狗は、しばらく呆然としていましたが、二人は大声を上げて逃げ出しました。

話を聞いた村人が若者とともに大松にやって来ましたが、何の気配もなく、大松の葉も落ちていませんでした。
村人はきつねかたぬきにでも化かされたんだろう、と言い、若者も半信半疑でその場を去りました。

しばらく経ったある日、村は大嵐に見舞われました。
これまで経験したことのない嵐で、大松もこの風に耐え切れず、根元から横倒しになってしまいました。
村人たちは大松を腐らせるより切ったほうが良いと考え、明日の朝、木こりに大松を切ってもらうことにしました。

翌朝、村人たちが大松のある高根神社へ行くと、大松は元通り立派に立っていました。
それを見た村人たちは、大松にはやっぱり天狗が住んでいたのだと思いました。

その後も大松の周りはとてもきれいで、松の葉が落ちていることはありませんでした。


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