【昔話】きつねの嫁入り【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山奥、親子が3人で仲良く暮らしていました。
ある日、父が村へ油を買いに行くと、子どもたちにいじめられているきつねを見つけました。
かわいそうに思った父は、きつねを買い取ってそのまま逃がしてあげました。
父が油を買って家に帰ろうとしていると、急にあたりが暗くなり、嫁入り行列が現れました。
誘われるがまま結婚式に出席した父は、その夜は花嫁の家に泊めてもらうことになりました。
布団を敷いて寝床を用意してくれた花嫁は、「決してこの箱の中を見ないでください」と言いました。
しかし、どうしても箱の中身が気になった父は、こっそりと箱を開けてしまいました。
すると中には鏡が貼ってあり、そこにはきつねの顔が映っていました。
父は、なぜきつねの顔が映っていたのか分からないまま眠りにつきました。
翌朝、目を覚まして確認してみると、自分の顔がきつねになっていました。
こんな姿では家には帰れないと思った父は、花嫁の家に置いてもらうことになりました。
花嫁は大喜びで、毎日おもてないしをしてくれました。
毎日楽しく過ごしあっという間に3年が過ぎた頃、父は家に残してきた妻と子どものことが気になり始めました。
泣いて引き止める花嫁に別れを告げ、父は誰にも顔を見られないように、家に帰りました。
しかし家に帰った父の顔はきつねではなく人間の顔で、3年と思っていた月日も実は3日しか経っていませんでした。
助けたきつねが、恩返しのつもりで花嫁に化けておもてなしをしていたのでした。