【昔話】やせうま【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、貧乏な炭焼きの男が1人で住んでいました。
ある時、田んぼでこき使われている痩せた馬を見かけました。
かわいそうに思った男は、炭俵1俵と馬を交換してほしいと言って連れて帰りました。
男は、このやせ馬を働かせるのではなく、ただただ可愛がりました。
ある時、やせ馬が男の家から突然いなくなってしまいました。
男は心配しながらも仕事場へ行くと、やせ馬は仕事の手伝いをしようと炭焼き小屋で先に待っていました。
男は馬の気持ちが嬉しくて、馬の背に炭俵1俵だけ、自分は焚き木を背負って家へ帰りました。
そんなある年、日照りが長く続いた村は大不作でした。
男も馬も食べるものがなくなってしまい、ついに馬が炭俵を背負ったまま、石につまずいて大きく転倒してしまいました。
男は、足が折れた馬を背負って家に連れて帰ろうとすると、男の背中で馬の姿が背負子に変わりました。
背負子は物をたくさん運ぶのにとても便利で、男はこの背負子を大切に使いました。
最初はやせ馬をバカにしていた村人たちも、まねをして背負子を作ってみるととても便利だったので、みんなが使うようになりました。
そしてそれ以来、このあたりでは背負子のことを「やせうま」というようになりました。