【昔話】雷と月と日【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、普段は顔を合わせることがない「お日さん」と「お月さん」と「雷さん」が住んでいました。
ある日3人はお伊勢参りの旅をすることになりました。
旅の途中、雷さんは鬼のパンツで元気いっぱいで、背負った太鼓を鳴らして、そこら中に雷を落としながら大騒ぎしていました。
お日さんとお月さんが注意をしても雷さんは「それは悪かった!」と笑い飛ばしていました。
とはいえ、3人は仲良く旅を続けていました。
やがて日も暮れたので、3人は宿で休みました。
お日さんとお月さんはゆっくりとお風呂に入りましたが、雷さんだけはお風呂が大嫌いで、次々に酒を運ばせて飲んでいました。
お日さんとお月さんがお風呂から上がると、すっかり酔っ払った雷さんは2人にさんざん酒をすすめ、太鼓をたたいて大騒ぎしていました。
あまりのうるささと下手さにお日さんもお月さんもすっかり参ってしまいました。
騒ぐだけ騒いだ雷さんはそのまま酔いつぶれて眠ってしまいました。
お日さんとお月さんはホッとして、雷さんを布団に寝かせてから自分たちも布団に入りました。
雷さんは初めのうちは寝息をたてて眠っていましたが、しばらくすると大きないびきをかきだし、うるさくてたまりませんでした。
あまりにうるさくて眠れないお日さんとお月さんは、布団をかぶって苦しんでいましたが、2人はとうとう雷さんを置いて先に行くことにしました。
2人は夜もあけないうちに宿を出発しました。
一方、雷さんは夕方近くになってようやく目を覚ました。
お日さんとお月さんが先に出発したと聞いた雷さんはすぐに2人の後を追いました。