【昔話】豆つぶころころ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、働き者のおじいさんとおばあさん
が住んでいました。
ある日、おばあさん
が家の掃除をしていると豆が転げ落ちて、かまどの中に入ってしまいました。
そこへおじいさんがやってきて、たった一粒の豆でも粗末にしてはいけないと、かまどの中をかき回し始めました。
するとかまどの底に大きな穴があき、おじいさんは穴の中へ転げ落ちてしまいました。
転げ落ちた先でぶつけたお尻をさすりながらふと顔を上げると、そばにおじぞうさまが立っていました。
おじいさんが転がった豆のことをたずねると、おじぞうさはま豆を食べたと言いました。
豆をむだにせずに済んだと安心したおじいさんに、おじぞうさまはお礼の品として、この先の道をまっすぐ進むように言いました。
まっすぐ進んだ先に赤いしょうじの家の米つきを手伝うように言いました。
またその先には、黒いしょうじの家の天井にのぼってにわとり
の鳴きまねをすると、良いことがあると言いました。
おじぞうさまに言われた通り進むと、赤いしょうじの家が見えてきました。
そこではたくさんのねずみたちが嫁入り支度をしていました。
ねずみたちが大きな声で歌をうたいながら米をついていたので、おじいさんはねずみたちにまじって米つきを手伝いました。
するとねずみたちは大喜びで、お礼の品としておじいさんに赤い着物をくれました。
さらに進むと、黒いしょうじの家を見つけました。
家の中では、たくさんの鬼たちが金貨をつんで花札をしていました。
おじいさんはおじぞうさまに言われた通り天井へのぼり、大声でにわとり
の鳴きまねをしました。
にわとり
の声を聞いた鬼たちは、朝が来たと勘違いをし、金貨を残したまま大慌てで逃げ出しました。
おじいさんが鬼たちが置いて行った金貨を持って家に帰ると、おおばあさん
は大喜びしました。
隣に住むよくばりなおじいさんもこの話を聞きつけ、自分も金貨を手に入れようとしました。
よくばりなおじいさんは、ザルにいっぱい豆を入れ、その豆を隣の家のかまどの中へぶりまけました。
そして同じようにかまどの底の穴の中へ入ると、おじぞうさまが立っていました。
よくばりなおじいさんは、おじぞうさまに向かって豆を食べたお礼をしろと大きな声で言いました。
おじぞうさまは仕方なく、さっきと同じことを教えました。
よくばりなおじいさんはねずみの家を見つけると、米つきの手伝いなどせずに、ねずみをおどかしてねずみの宝物を奪おうと考えました。
よくばりなおじいさんが大きな声で猫の鳴きまねをすると、ねずみたちはおどろいて米つきのきねをよくばりなおじいさんに投げつけました。
その場から何とか逃げ出したよくばりなおじいさんは、言われた通り鬼のいる家に向かいました。
ところが鬼たちがとても怖い顔をしていたので、よくばりなおじいさんは怖気づいて、上手くにわとり
の鳴きまねをすることができませんでした。
よくばりなおじいさんの声を聞いた鬼たちは、自分たちの金貨を盗んだのはこのよくばりなおじいさんだと思い込み、地獄へ続いている谷底へ放り込みました。