あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【小説】神様のカルテ【あらすじ・ネタバレ】

信州の地方都市である松本で勤務5年目の内科医栗原一止は、医師不足が深刻化する病院で24時間、365日対応する本庄病院に勤めています。
大勢の患者を抱えているこの小さな病院は、内科だけでなく専門外の診療や、不眠不休で診療することが当たり前のように行われています。
そんな中でも栗原一止は、先輩外科医たちと共に厳しい医療の現場で戦っていました。
その一方で栗原一止は、同じアパートに住む大家兼画家の男爵と、大学生の学士と毎日くだらないことで笑い合い、最愛の妻である榛名と過ごすことで日々の疲れを癒しながら激務をこなしていました。

栗原一止は、母校の医局を通じて大学病院で勤務してみないかと誘われました。
大学病院は、地方の小さな病院とは違い最先端医療が学べる場所でもありますが、栗原一止には本庄病院にやってくる大勢の患者がいるため迷いました。
そんなある日、栗原一止を頼って末期の胆嚢癌患者である安曇雪乃が現れました。
以前、本庄病院を訪れた際に栗原一止が胆嚢癌だと診断し大学病院へ紹介状を出したのですが、その病院から手の施しようがないとあしらわれたため、再び栗原一止をたずねてきたのです。

栗原一止が別の患者を診療中に安曇雪乃が下血したという連絡が入りました。
すぐに腹部CT検査を行ったところ、腫瘍が2ヶ月前と比べて倍以上に増大しており、大腸を破壊していたのです。
1ヶ月と持たないであろうその様子を見た栗原一止は絶句しました。
処置が終わり、状態が落ち着きベッドに戻った安曇雪乃に、自分の余命を知りたいと言われ、栗原一止は病状について説明をしましたが、1ヶ月持たないことは告げられませんでした。
後日、誕生日を迎えた安曇雪乃に、山が見たいと言われ屋上へ連れて行くことにしました。
安曇雪乃は、夫からのプレゼントだという赤茶色の毛糸の帽子をかぶっていました。
亡くなったらこの帽子をかぶせて欲しいという安曇雪乃の願いを栗原一止は快諾しました。

栗原一止は、誘われていた大学病院での勤務のことが頭から離れず、見学に行くことにしました。
そこで最先端医療に触れ、大学病院での勤務経験のある上司に話を聞いてみましたが、考えた結果本庄病院で診療を続けることを決意しました。

安曇雪乃の体調が良くない状態が続いていたため、栗原一止は病院に泊り込むことにしました。
多くの患者の受け入れ、忙しくしている栗原一止のもとへ安曇雪乃の容態が急変したという連絡が入りました。
急いで向かい栗原一止は延命処置をしようとしましたがその手を止め、死亡確認と死亡診定を行い、約束の毛糸の帽子をかぶせようとしました。
その時、帽子の中に安曇雪乃からの感謝の言葉が綴られた手紙が入っていることに気づきました。

帰宅した栗原一止を妻の榛名が出迎えました。
泣き出した栗原一止を優しく慰めた榛名は、外に出ようと誘い出し、見晴らしがよく気持ちの良い場所で妊娠したことを告げました。


 - 小説

  関連記事