【童話】雪だるま【あらすじ・ネタバレ】
雪がたくさん降ったある日、男の子が雪をかき集めて雪だるまを作りました。
男の子が心を込めて作った雪だるまには命が宿りました。
雪だるまが、沈んでいくお日様をながめていると、自分の体の中でミシミシという音が鳴っていることに気付きましたが、なぜだか分かりません。
昼間はあたたかかったけれど夜はまた冷え込み、外の雪がキラキラと輝いていました。
雪だるまが見とれていると、家の中から楽しそうな声が聞こえ、家族はみんなめらめらと動いている赤い光の前にいました。
雪だるまが犬にあれは何かと訊ねると、ストーブだということを教えてくれました。
ストーブをじっと見つめていると、また自分の中でミシミシと音が聞こえました。
その美しい炎に見とれた雪だるまがどうしてもストーブのそばへ行きたいと言うと、犬は「溶けてしまうからやめておけ」と言い、小屋に戻っていきました。
やがてあたりが真っ暗になると、ストーブの火は赤さを増し、ますます美しく見えました。
雪だるまはストーブに恋をしてしまったのです。
次の日はとてもあたたかい日でした。
お日様がギラギラと照りつけたので、雪だるまはだんだんと溶け始め、それを見た犬は悲しそうに「今日でお別れかもしれない」と言いました。
翌朝、犬は昨日まで雪だるまがいた場所にストーブの火かき棒が落ちているのを見つけました。
犬は、雪だるまが火かき棒を芯にして作られていたので、ストーブのそばに行きたがっていたことを理解したのです。