【昔話】へび女房【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、年頃の男がいました。
男は山で悲しげな表情をしていた女に出会い、間もなくして結婚し夫婦になりました。
2人の間に子どもができたのですが、女は外に小屋を作ってもらい、自分だけそこへ移り住みました。
お産が終わるまでは決して覗かないでほしいと言われていましたが、小屋から赤ん坊の声が聞こえた時にあまりに嬉しくて男は小屋の中を覗いてしまいました。
男が小屋の中を覗くと、生まれたばかりの赤ん坊を抱く白い大蛇がいました。
大蛇は女に姿を戻し、男とも生まれてきた子どもとも一緒に暮らすことができない、と言いました。
女は自分の片目を取り出し、子どもにこの目をしゃぶらせて育ててほしいと言い、男の前から姿を消しました。
男は女に言われた通りに目玉を子どもにしゃぶらせていると、目玉がだんだんと小さくなっていき、最終的にはなくなってしまいました。
男は、泣いている子どものために女を探しに行くことにしました。
山奥で大蛇を見つけ、目玉がなくなったことを告げると、大蛇はもう片方の目を男に差し出しました。
両目を失った大蛇が、朝と晩に鐘を鳴らしてくれるように頼むと男は約束通り毎日鐘を鳴らしました。
それから大蛇が姿を見せることはありませんでした。