【昔話】河童徳利【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、五郎兵衛という馬方が住んでいました。
五郎兵衛はお酒が大好きで、とっくりと馬をとても大切にしていました。
ある夏の日、仕事が終わって馬の体洗っていると、馬のおしりにかっぱがかぶりつきました。
川に引きずり込まれそうになった馬を見て驚いた五郎兵衛は、大声で村人たちに助けを求めました。
かっぱは村人たちから殴られて、木に縛りつけられました。
優しい五郎兵衛は、命乞いをするかっぱの縄をほどき、川に帰してあげることにしました。
その夜、五郎兵衛が家で寝ていると、かっぱがとっくりを持って現れました。
これは飲んでも飲んでも酒が無くならない不思議なとっくりで、底を3回たたくまで酒が出続けるという品物でした。
五郎兵衛は大喜びして、仕事にも行かず朝から晩まで酒を飲んで過ごすようになりました。
あんなに大切にしていた馬にエサをあげることもせず、怠け者になってしまいました。
ある日、家の前で酔いつぶれて寝ていると、すっかりやせ細ってしまった馬に気が付きました。
五郎兵衛は心底反省し、とっくりの底を3回たたいてもう2度と酒が出てこないようにしました。
これに懲りた、五郎兵衛は元の働き者に戻りました。