【童話】サルとイルカ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、ある男がサルを連れて長い船旅へ出かけました。
ところが船がアテネの岸から離れると激しい暴風雨になり、船は転覆し、乗組員は全員海へ投げ出され、泳いで岸を目指しました。
サルも同じように泳いで岸を目指していると、それを見たイルカがサルを人間だと思って助けにきました。
無事に岸まで運んでやろうとサルを背中に乗せて、アテネの町に近い港であるピレウスのそばまでやってきました。
そこでイルカはサルに「あなたはアテネ人ですか?」とたずねました。
するとサルは、「自分はアテネ人で、アテネでも有数の名家の人間だ。」と嘘をつきました。
それを聞いたイルカは、「ピレウスのことも知っていますか?」とたずねました。
サルはピレウスを人の名前だと思い込み、「よく知っているし、とても親しい仲だ。」と得意気に言いました。
サルが嘘に怒ったイルカは、サルを背中に乗せたまま海へ深く潜り、サルをおぼれさせました。