【童話】おおかみ男【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、ハンスとクンツという村人が住んでいました。
ある日、2人が森へたきぎ拾いに出かけると、道の途中である男と出会いました。
男は2人に、「森へ行くのなら一緒に連れて行ってほしい。」と言いました。
男の手にはたきぎを縛るための綱があり、それを見たハンスとクンツは男と一緒に森へ向かうことにしました。
男にはキバのようなするどい歯が生え、厳しい目つきをしていましたが、優しいハンスとクンツはそんなことなど全く気にすることなく楽しく話しながら森まで歩いていきました。
森へ到着すると3人はたきぎを拾い集め、男が持っていた縄でたきぎを縛りました。
たくさん集めて大満足の3人は重たいたきぎを背負い、帰路につきました。
やがて広い野原につき、3人は一休みすることにしました。
遠くの方で、親馬が子馬を連れて草を食べているのが見えました。
重たいたきぎを背負って、疲れきっていたハンスとクンツがウトウトとしていると、後ろの方からガサガサと音が聞こえてきました。
気になったクンツが音の正体を確認しようとすると、男が服を脱ごうとしていました。
クンツが声をかけようとすると、男は裸になりあっという間におそろしいオオカミに変身したのです。
オオカミになった男は、ものすごい速さで馬のいる方へ走り出し、子馬にとびかかりムシャムシャと食べてしまったのです。
それを見たクンツが驚いて寝たふりをすると、オオカミ男が近づいてきて、「あとでゆっくりこの2人も食べてやる。」と言いました。
オオカミ男は人間の姿になって服を着ると、何事もなかったかのように2人を起こしました。
何も見ていないハンスはすぐに起き上がり準備をしましたが、クンツは怖くて震えが止まりませんでした。
それでもオオカミ男にばれないように、何とか準備をして出発しました。
しばらく進むと、突然オオカミ男がお腹を押さえて立ち止まりました。
それを見たクンツは逃げるなら今しかないと思い、ハンスの手を取り走り出しました。
オオカミ男は走る2人を追いかけましたが、お腹が痛くて上手く走れません。
こうしてハンスとクンツはオオカミ男から無事に逃げ出すことができました。