【昔話】琵琶法師と竜【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに目の見えない琵琶法師がいました。
琵琶法師は、村から村を旅歩いて生活をしていました。
ある夏の日の、琵琶法師は旅の途中で大きな池のほとりに出ました。
琵琶法師が、池のほとりで琵琶を弾き終えたところで法師を呼び止める声がしました。
声の主は池の主の竜神
で、「明日、下の村に大洪水を起こそうと思っている。それまでに村から立ち去れ。このことは誰にも言うな」と忠告しました。
琵琶法師は恐ろしくなり、走って池のそばから離れました。
翌朝、琵琶法師は下の村にやってきました。
洪水が起こることを村人たちに知らせることができず、後ろめたさを感じつつも、大急ぎで村を出ることにしました。
焦っていた琵琶法師は、橋の上から川に落ちてしまいました。
琵琶法師が気がつくと、村の百姓の家にいました。
百姓に助けてもらった琵琶法師は、このような人たちを見殺しにしようとしていたことを恥じました。
琵琶法師は、池のほとりでの出来事を全て村人たちに話しました。
すると、竜神
が言った通りその夜に大洪水が起こり、村中の家も畑もみんな流されてしまいました。
しかし、村人たちは高台へ避難していたため全員が助かりました。
その頃、琵琶法師は少し離れた場所で琵琶を弾きながら竜神
と対峙していました。
そしてついに、琵琶法師は竜巻にまかれて姿を消してしまいました。
その後、村人が池のほとりを通ったところ、池に琵琶法師が持っていた琵琶が浮いていました。
このことから、この池を琵琶池と呼ぶようになりました。