【昔話】天橋立【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、この世にまだ天と海しかなかった頃、空よりも高い神の国から、2人の若い神さまが長い矛を担いで空の真ん中にかかる浮橋を降りてきました。
2人の神さまは、浮橋の上から長い矛で下の世界をかきまわしました。
矛を引き上げると、矛の先からしずくが落ち塩が固まって1つの島ができました。
そうやって2人の神さまは、また矛を海に降ろしてたくさんの島を作り上げ、神さまたちを集めてできあがった島を見下ろしていました。
そのうち、神さまたちは島に降りてみたいと言い始めました。
そこで神さまたちは、島に降りる道を作ってもらうために道の神さまのところへ向かいました。
道の神さまはしばらく考えて、本当に入用なときにだけ使うことを条件に、島へと続くはしごの道を作ってくれました。
大喜びした神さまたちがはしごを伝い降りていくと、島では美しい娘たちが楽しそうに遊んでいました。
神さまたちは娘たちとすぐに仲良くなって、歌ったり踊ったり、何日も何日も楽しい時を過ごしていました。
ところがあるとき、娘たちははしごを見て、わたしたちも神の国へ行ってみたいと言い出しました。
神さまたちは困りましたが、声を出さないことを条件に内緒で娘たちを神の国へ連れて行くことにしました。
娘たちを連れてはしごを登っていくにつれて、美しい島々の景色が見え始め、娘たちは興奮して大声をあげて騒ぎ始めてしまいました。
すると、その声を聞きつけて道の神さまが目を覚ましてしまいました。
怒った道の神さまは、雷を落として天地をつないだはしごを砕いてしまいました。
