【昔話】サルと池【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山奥に、きれいな水が湧く池がありました。
池の水は、山に住むサルたちにとって大切な飲み水でした。
ある時、ひどい嵐の日に、雨風と一緒に恐ろしい魔物がやって来て、大切な池に住み着いてしまいました。
水を飲みにやって来たサルが足を滑らせて池に落ちると、魔物が現れて池の底に引きずり込むようになったので、サルたちは怖がって池に近づかなくなりました。
やんちゃな子ザルたちが年寄りザルの目を盗んで池に近づきましたが、魔物が現れて、子ザルを池に引き込もうとしました。
子ザルたちは力を合わせて引きずり込まれそうになっていた子ザルを助け出し、なんとか逃げ出すことができました。
子ザルたちは喉が渇いて、池の水が飲みたくてたまりませんでした。
みんなでどうしたらいいのかと悩んでいると、年寄りザルがやって来て、1人1本ずつ芦の茎を取って来なさい、と言いました。
子ザルたちが言われた通りにすると、年寄りザルは芦の茎から穂をはぎ取とって息を吹き込んで通りを良くすると、細長い筒を作ってくれました。
そして子ザルたちとともにその芦の筒を持って池に向かいました。
池に到着すると、魔物の手が届かない土手の上から筒を水面に刺し込み、「ここから筒を思いっきり吸うと、とてもおいしい水が飲めますよ」と言いました。
子ザルたちが言われた通り筒を吸うと、おいしい水をたくさん飲むことができました。
芦の筒で水を飲んでいるサルを見た魔物は、サルたちを池に引き込もうとしましたが、魔物は水の中から出ることが出来ないので、サルを引き込むことができませんでした。
こうして、サルたちは危ない目にあうことなく水が飲めるようになりました。