【昔話】西宇治の茶【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし宇治の茶どころに、太郎作という働き者の若者が出稼ぎに来ていました。
出稼ぎ先の親方には花という可愛い娘がいて、仕事熱心な太郎作に恋をしていました。
2人は結婚を認めてもらおうと、花の父のところへ向かったのですが、許してもらえませんでした。
太郎作は、花の幸せを考えて別れを決意して、こっそりと自分の国へ帰っていきました。
太郎作がいなくなったことに気が付いた花は、太郎作を追いかけて家出しました。
家出を予感していた父は、事前に花の荷物の中にお茶の実を3粒入れておきました。
花は、太郎作と一緒に国に帰り、農家の手伝いをしながら一生懸命働きました。
秋には子どもも生まれたのですが、暮らしは楽ではなく、花は自分の着物を売り生活していました。
最後の着物を売りに行った時、花は袖の中から3粒のお茶の実を見つけました。
2人がそのお茶の実を丘の上にまくと、お茶の実からたくさんの実がとれました。
2人の茶畑は徐々に増えていき、評判の良いお茶が育ちました。
まもなく2人は、花の父を呼び寄せ、立派に育った茶畑を見せました。
このお茶はたくさんの人々からも大変評判になりました。