【昔話】蛇とみみず【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、蛇は目玉が無くて土の中で歌いながら楽しく暮らしていました。
一方、みみずは大きくてぎょろりとした目玉を持っていました。
蛇が大きな声で歌うと、太陽も風の神さまも雲もじっと聞き入っていました。
みんなに人気がある蛇をうらやましく思ったみみずは、ある時、蛇の家へやってきて「わたしの目玉とあなたの声を取り変えてくれないか」と言いました。
最初はその頼みを断ろうと思いましたが、みみずが「今は栗の花がとてもきれいに咲いていて、その眺めはすばらしいよ」などと繰り返していたので、ついに蛇も折れて目玉と声を取りかえることにしました。
それからは、蛇は目玉を持つようになり、地上に出て暮らすようになりました。
一方、みみずは良い声をもらって大喜びで毎日歌い続けていましたが、歌い過ぎて喉が枯れてしまい、小さい声しか出せなくなってしまいました。
みみずは後悔しましたが、今さら目玉を返せと言うこともできず、今でも小さい声で歌いながら、土の中で暮らしています。