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【昔話】真珠の夜光【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、流れが急で危険な海域として漁師たちから恐れられている沖がありました。

ある夏の夜、災いを呼ぶといわれる「真珠の夜光」という光が海底から現れました。
10年前にこの光が現れたとき、漁師たちが住む村は大津波に飲み込まれてしまったので、村人たちは大津波が再びやってくると慌てました。

漁師たちは、海底の真珠をえぐり取ろうと考えたのですが、危険な大流れには誰も潜ろうとはしませんでした。
そこへ、漁師親方の娘トセの恋人ヒコが、自分が潜ると名乗り出ました。
ヒコとの仲を反対していた親方は、トセとの結婚を許すことができませんでしたが、ヒコトセは沖へ向かいました。

大流れの近くまでくると、ヒコはためらうことなく海の中へ飛び込んでいきました。
しかし華奢なヒコはうまく潜ることができず、波にさらわれてしまいました。
この様子を見ていた親方は、すばやく腰の刀をヒコに向かって投げました。
殿さまからもらった大切な刀はずっしりと重く、ヒコの体は刀の重みでどんどん海中へ潜ることができました。

海底にある大きなあこや貝を刀でこじ開けたヒコは、不思議な光を放つ大真珠を抱えて海面に顔を出しました。
こうして大きな真珠をえぐり取ることができたヒコは、トセとの結婚を許してもらうことができました。
その後、この大真珠は、村を照らす灯台として長く人々の役に立ちました。


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