【昔話】紅ほおずき【あらすじ・ネタバレ】
人通りの少ない丹波の山奥に、珍しく旅の男が通りかかりました。
木陰で昼寝している間に、すっかり日が暮れてしまったので、男は道に迷ってしまいました。
男は炭焼き小屋を見つけて一晩泊めてほしいと頼むと、老夫婦は快く迎え入れてくれました。
久しぶりに来るお客さんに老夫婦は喜びながら、男から旅の話など聞かせてもらうことにしました。
男は、もうすぐ結婚する妹のために都へ帰る途中でした。
翌朝、目を覚ました男は、庭に真っ赤なほおずきを見つけて、幼い頃に妹とほおずきで遊んだことを思い出しました。
赤い実を口に含んでかむとキュッと鳴る音に妹が喜んでいたことを、懐かしく思い返していました。
その時、老夫婦が血相を変えて、男がほおずきを折ってしまったことをとがめました。
おばあさんは「ほおずきはお日さまの赤ん坊です。赤ん坊の首を切ってしまうなんて、罰があたりますよ」と、言いました。
それを聞いた男は、少し不安になりました。
するとタイミングよく大雨が降りはじめ、3人は急いで家の中にかけ込みました。
おばあさんは「やっぱり罰があたりました。こんな大雨では何もできないから、今日もまた旅の話を聞かせてください」と言って、寝転がりました。