あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】梨山の大蛇【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、梨山という山があり、その山懐には大きな沼がありました。
沼には昔から天にもとどくという大蛇が棲んでいるいう言い伝えがありました。

その付近一帯は梨山に屋敷を構える地主さんの土地で、地主さんはこの繁栄も大蛇さまのおかげだと、毎日山の上にある祠の前で大蛇さまを拝んでいました。

ある夜、庭から地主さんを呼ぶ声が聞こえてきました。
声の主は、沼から山頂の屋敷にとどく巨大な鎌首をもたげた大蛇でした。
大蛇は「わたしは沼に千年住んできたので、次は海に千年住まないといけません。」と言い、沼を出る際、地主さんの土地を荒らしてしまうかもしれないので、断りをいれにきたのでした。

しかし地主さんは、さらなる繁栄のために、大蛇にあと二千年は沼にいるようにと言いました。
さらに翌日、大蛇が沼から出ないように巨大な鉄杭で沼を囲ってしまいました。
そして、それぞれの鉄杭に蛇封じの札を貼る作業を百姓の茂兵衛に任せました。

茂兵衛が言われた通りお札を貼っていると、そこへ大蛇が現れました。
茂兵衛は驚きましたが、大蛇の話を聞いているうちに気の毒になり、自分の土地で良ければ荒らしても大丈夫ですよと言いました。
大蛇は喜び、その夜、沼から巨大な鎌首をもたげた大蛇茂兵衛の土地に身を着けると、あとはどこにも触れることなく海へと滑り込みました。

翌日、茂兵衛の土地は大蛇の接地で荒れていましたが、そこには小山ほどの大蛇の糞が残されていました。
糞は黄金でできており、茂兵衛はやがて長者となりました。

一方、守り神に出ていかれた地主さんの家は、しばらくして衰退してしまいました。


 - 昔話

  関連記事