【昔話】キツネのお礼参り【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんが出かけたのでおばあさんが見送っていると、おじいさんが突然畑のすみっこで着物を脱いでふんどし一丁になりました。
おじいさんは着物と傘をまとめて頭に乗せて畑に入り、「川が深い、川が深い」と言いながら、がさがさと歩き回っていました。
キツネに化かされたと思ったおばあさんは、おじいさんにタバコでも吸って一休みしなさい、と声をかけました。
するとおじいさんはピタッと止まり、おばあさんが差し出したタバコを吸い始めると、おじいさんはだんだん正気に戻りました。
夜も更けた頃、どこからともなくキツネの鳴き声が聞こえてきました。
眠っていたおじいさんは起き上がり、外で待っていたキツネに導かれてどんどん歩いて行きました。
山の中まで来ると、おじいさんはふと正気に戻りました。
足もとを見ると、6匹の小さな子キツネがお腹を空かして震えていました。
これはきっと母キツネが子キツネの世話を頼みに来たんのだと思ったおじいさんは、家に帰り、弁当箱にいっぱい稲荷寿司を作って子キツネたちに持って行きました。
おじいさんとおばあさんはそれから毎日稲荷寿司を作って子キツネたちに持っていったので、おじいさんの家の米は全部なくなってしまいました。
それからしばらく経ち、おじいさんとおばあさんは夜中にものすごい音で目を覚ましました。
驚いて外へ出てみると、そこには米俵が3俵も積んでありました。
2人はあちこち見渡しましたが、どんな人影は見当たりませんでした。
おじいさんとおばあさんはきっとキツネがお礼に来たのだと思いました。