【昔話】初夢長者【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、長者が住んでいました。
長者は使用人を集めて、それぞれの初夢を語るように命じました。
みんなが初夢を話していましたが、小僧だけが絶対に話そうとしなかったので怒った長者は小僧を村へ帰してしまいました。
父親も小僧がどんな夢を見たのか聞こうとしましたが答えないので、小僧を船に乗せて海へ流しました。
船は何十日も揺られて鬼ヶ島に流れ着きました。
鬼たちは小僧を太らせてから食べようと牢屋へ入れて食べ物を与え続けました。
まるまる太っていよいよ食べられるという時、小僧は死ぬ前に鬼の宝物を見せて欲しいと言いました。
こうして鬼から「千里棒」「聞き耳棒」「生き棒」の三つの宝を受け取りました。
小僧は受け取った千里棒を使って鬼ヶ島から脱出すると、聞き耳棒を使って西の長者の娘が病気になっていることを知りました。
生き棒を使って病気を治療した小僧は、娘の婿となりました。
また、川を隔てた東の長者の娘も病気になったことも知り、これも治療しました。
東の長者は小僧を引き留めて帰そうとしなかったので、西の長者と喧嘩になり、ついに城のお殿さまの裁きで決着をつけることになりました。
お殿さまは月の前十五日は東の婿となり、後十五日は西の婿となるようにと命じました。
初夢で金の大黒さまを前と後ろに抱いている夢をみたおかげで、小僧は何もかもうまくいきました。
初夢は人に話さないと叶うといわれています。