【昔話】金の鳥居【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、若い夫婦がいました。
夫婦はケンカすることなく毎日幸せに暮らしていましたが、亭主の頭には毛が1本も生えておらず、夫婦はそのことについてとても悩んでいました。
ちゃんとまげさえ結えればいくらでも仕事はあるのに、まげが結えないために夫婦はとても貧乏でした。
奥さんは家計をやりくりして、これまで何度も毛生え薬を買ってきましたがどれも効果がありませんでした。
そこで奥さんは神様におまいりすることにしました。
奥さんは神様に向かって、「亭主に髪を生やしてくだされば、お礼に金の鳥居を建てます。」とお祈りしました。
すると願いが通じたのか、亭主の頭に毛が生えてきました。
毎日おまいりを繰り返しているうちに、亭主は立派なまげを結うことができるようになったのです。
奥さんは、願いをかなえてもらったお礼に木綿針で作った小さな金の鳥居を作って神様お供えしました。
これを見た神様は、「これは一本とられたわ。」と笑い、木綿針で作られた小さな金の鳥居を受け取りました。
まげを結えるようになった亭主は仕事に打ち込むようになり、末永く幸せに暮らしました。
やがてお金を貯めて、金ではありませんが立派な鳥居を建てたのでした。