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【昔話】馬の尻にかけじく【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある村に、与之助という男と、そのが住んでいました。
このは村一番の美人で実家は金持ちだったのですが、おおらかで働き者の与之助の人柄に惚れ、押しかけ女房になっていました。

ある春の日、子どもが産まれたことを報告するため、与之助が初めての実家に行くことになりました。
は心配して、「私の実家の床の間には節穴があいてるから、『掛け軸を掛けたら穴が隠れて良いですよ』と言いなさい」と知恵をつけてあげました。

実家に到着した与之助は、から聞いてきた台詞を忘れないうちにと早々に口にしました。
気の利いたあいさつをした与之助に、父親はすっかり気を良くして自慢の馬を褒めてもらおうと与之助を馬小屋へ連れて行きました。
与之助は馬の尻を指さしながら「尻に掛け軸をかけたら尻の穴が見えなくなって良いですよ」と、先ほどの台詞に絡めて無邪気に褒めました。

父親与之助のバカさ加減にあきれましたが、与之助が持ってきたボタモチを食べながら娘からの手紙を読んでいるうちに、あれでも正直者で良い婿かもしれない、と思い直しました。

その後、父親与之助もお互いの家をいったりきたりするようになり、仲良く暮らしました。


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