【昔話】神上の夕立【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、神上という村がありました。
そこには、ポジティブなおばあさんとネガティブなおばあさんが住んでいました。
性格が正反対でも気の合う2人は、仲良く暮らしていました。
おばあさんたちは貧しい生活を送っていたので、朝から晩まで毎日休むことなく働いていました。
この村は、周囲を山に囲まれ真夏の日差しが厳しかったので、おばあさんたちはいつも「畑のために、毎日の夕立が欲しいですね…」と話していました。
そんなある日、ひさしぶりに夕立雲がやってきたかと思うと、雲から雷さまが落ちてきました。
驚いたおばあさんたちは物かげに隠れて様子を見ていると、雷さまは空に戻るために足場にする高い木(たより木)を探していました。
そこでおばあさんたちは、2人でかけたばかりの長い丸木橋を見せて「たより木ならここにありますよ」と声をかけました。
雷さまは、橋だった丸木を地面に刺してたより木にして、大喜びで空へ戻っていきました。
それ以来、夕立は、まず先に神上から降るようになりました。