【昔話】サルの生き肝【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、竜宮城には龍王さまや魚たちが楽しく暮らしていました。
その頃、海老の腰はまっすぐで、カニは前に歩くことができ、亀の甲羅には割れ目が無く、タコには骨があって歩くことができました。
ある時、お姫さまが妊娠して何も食べられなくなってしまいました。
そこで、海老とカニと亀とタコは相談して、サルの生き胆を獲ってお姫さまに食べてもらうことにしました。
そうして、亀がサルを竜宮まで連れてくることになりました。
亀は陸に上がり「龍王さまが、頭が良くて立派なサルに会いたがっています。おいしいご飯もあるので来てください」と言い、1匹のサルを騙して竜宮まで連れてきました。
サルは、竜宮のおいしいご馳走を食べ、お酒を飲んで、いい気分になったところで小部屋で寝かされました。
サルがぐっすり眠っていると思い込んだタコが、「もうすぐこのサルは肝を抜かれてしまう」と口を滑らせてしまいました。
それを聞いたサルは、自分が騙されていたことに気がつき、何とか助かる方法を考えました。
そうして、大声で泣き叫び、「浜辺の松の木に肝を干してきたのですが、雨が降ると肝が流されてしまいます」と訴えました。
それを聞いた亀は、急いでサルを連れて陸に向かいました。
ところが、陸に着いたサルは、ものすごいスピードで逃げていきました。
亀はどうすることもできず、あきらめて竜宮へ戻りました。
竜宮では、口を滑らせたタコは、怒った海老とカニと亀によって体中の骨を抜かれてしまいました。
このことを知った龍王さまは、「サルの命を奪ってまで、お姫さまが喜ぶと思ったのか!!」と怒りました。
この日から亀の甲羅にはひびが入り、海老の腰は曲がってしまい、カニは横にしか歩けなくなってしまいました。