【昔話】空を飛んだキツネ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山に、ごんぎつねというキツネが住んでいました。
ある日、ごんぎつねは空を飛ぶトンビを見ながら、「自分もトンビみたいに空を飛んでみたいなぁ」と考えていました。
キツネが空を飛ぶにはお寺のお札が必要なので、里の寺に向かいました。
ごんぎつねは坊主に化け、お寺で働くことにしました。
坊主は朝から晩まで働き、和尚が食べたいものを先読みして準備したので、和尚は大変関心しました。
そんなある日、夜中にお寺に帰ってきた和尚は、囲炉裏のそばで疲れて眠るキツネを見つけました。
和尚はすぐにキツネが坊主に化けていたことに気づいたのですが、その晩は何も言わずにそっと寝かしておきました。
正体がばれてしまったごんぎつねは、翌朝お寺から立ち去ろうと和尚に最後のあいさつをしました。
すると和尚は、ごんぎつねが寺に来た目的を知ると、「わたしが感心するほどの化けを見せたら、お札をあげよう」と提案しました。
それを聞いたごんぎつねは、お坊さんの行列をやって見せました。
行列の最後に、金色の光とともにみすぼらしい衣を着たお坊さんが登場すると、本当のお釈迦さまが登場したように見え、和尚は思わず手を合わせてしまいました。
和尚をすっかり驚かすことができたごんぎつねは、和尚からもらったお札を首から下げて、嬉しそうに大空を飛んでいきました。