【昔話】猿亀合戦【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、仙崎と青海島がありました。
仙崎と青海島との間はとても近く、引き潮になると歩いて行き来することができました。
青海島にはたくさんの猿が住んでおり、引き潮になると大勢で仙崎に渡って村人の食料などを盗むなどの悪さばかりしていました。
困った仙崎の村人たちは、罠を作って猿を捕まえようとしたのですが、失敗続きで諦めるしかありませんでした。
ある日、1匹の猿が仙崎へ渡ろうとした時、青海島と仙崎との間の砂浜に大きな海亀が気持ちよさそうに眠っているのを見かけました。
猿は海亀をどかそうと、大声を出して海亀の首を強引に引っ張りました。
驚いた海亀が、首を甲羅の中に引っ込めたので、猿の手も一緒に甲羅の中にはさまってしまいました。
猿の悲鳴を聞いた仲間たちが大勢で集まり、海亀との引っ張り合いになった。
海亀も負けじと後ずさりするので、猿たちも引っ張られてしまいました。
このままではどうしようもないので、端にいた猿が松の木にしがみついたのですが、やがて満ち潮になり猿たちも海亀も焦りました。
そのうち海亀は諦めたのか首を出しました。
手は抜けたのですが、引っ張る勢いが強すぎて猿たちは尻餅ををついてしまいました。
そのはずみで青海島は遠くに離れてしまい、青海島の猿たちは、引き潮になっても仙崎へ渡ることが出来なくなってしまいました。
猿と海亀との合戦の一部始終を見ていた仙崎の村人たちは、これで猿たちのいたずらに遭わずに済むと喜びました。